ヤマダ電機が大塚家具を子会社にしたことから学ぶこと
昨年12月12日にヤマダ電機は大塚家具に約43億円を出資して株式の51%を取得し、子会社化しました。
このことについて、グロービズ経営大学院教員の金子浩明氏が、アンゾフの成長マトリクスを用いて解説してました。
この解説から、不動産業界に置き換えることができないかを考えました。
まずは以前アンゾフの成長マトリクスについてはブログに書きましたので、どんなものなのかを知ってからどうぞ。
なぜ、ヤマダ電機は大塚家具を子会社にして多角化経営を選んだのか。。。?
多角化経営についてアンゾフはこう言ってます。
では今回のヤマダ電気が多角化を狙う動機は・・・?
③既存事業の衰退
ヤマダ電機の営業利益は2017年→2019年で578億→387億に減少していて、売上は1兆5639億円→1兆6005億円で逆に伸びていますが、ピーク時の7割程度で、既存事業だけでは成長が見込めない現状です。
アンゾフによる“シナジー効果”とは何でしょう。。。?
一番効果があるシナジーは・・・販売シナジーのようです。
ヤマダ電機のポイントカード会員名簿などの経営資源を用いて大塚家具の家具を販売できれば双方にメリットがあり、大塚家具の顧客である富裕層や法人に対してヤマダ電機の商品を販売することも可能。
広告においても双方の商品を乗せることができる効果もあるとしています。
ヤマダ電機の山田会長は、記者会見にて「家具は粗利が高い。売上高が10%伸びれば黒字になる」と言っています。
では、ヤマダ電気と大塚家具ではどう利益が違うのか・・・?
☆売上高総利益率の違い
●ヤマダ電気・・・28%前後→薄利多売
●大塚家具・・・・50%→高利益率
また、ヤマダ電気は、2011年に注文住宅のエス・バイ・エルを買収し住宅関係にも進出しているので、大塚家具とのシナジー効果もありそうです。
とは言いながらも市場の反応はいささか低いようです。
今後、このヤマダ電機の多角化経営が実際どんなシナジー効果を結果として出すのかを注目していきたいです。