『仮説力』を高めて“社会人偏差値”を上げよう!
題名にある『仮説力を高めろ』という言葉は前職で部のリーダーだった時、よく当時の部下に言った言葉です。
仮説力が高まると、圧倒的に仕事のスピードが速くなります。
なぜなら、限られた時間の中で、『何をすべきか』『すべきでないか』を明確に決めて物事を先に進めることが出来るからです。
逆に、仕事の効率が悪い人間をみていると、何をどこまでやるかメリハリがなく、優先順位ができていないケースが非常に多いです。
私がサラリーマンだった時、出世していく人間はとにかく行動に移すスピードが速かったです。仮説をたて素早く行動に移し、仮説に対してのデータを収集し、検証を行う。そして修正を繰り返し結果をだしていくという成功までの道を辿って行きました。
経営者になっても同じです。
例えば、4月・5月で新型コロナが猛威を振るった際も、スピード感ある対応を迫られます。それには今後どのようになっていくかを『仮説』をたてることで、どのように動くべきかを判断し会社の舵を切ることが要求されます。
仮説力を高めると結局は『生産性の圧倒的な向上』につながります。
具体的には・・・
- 問題解決のスピードが上がる
- 意思決定が速くなる
- 大局観をもって仕事をすることができる
今は、インターネットなどで、様々なデータや情報を集めることが可能です。
しかし、情報が多すぎると、逆に意思決定のスピードが遅くなります。
大量の情報にアクセスできる現代は、情報を集めることよりも、むしろ情報を捨てることが要求されます。
仮説力を高め、あらかじめ必要だと思われる選択肢を絞ることで、限られた情報だけを集め、そこからさらに絞り込んでいくことで意思決定が速くなります。
では、仮説力を高めるには何をしらいいのか・・・。
それはとにかく色々予測してみることが大事です。
一番おすすめするのは、
『上司が自分に対してどのような今後どのような指示をだすのか?』です。
そのためには、今自分が置かれている立場や会社の状況、上司の性格や好みなどをもっと知る必要があるので、結局のところ、会社がもとめる人材により近づく社員になることにつながります。
また、仮説力を高めたい部下がいる場合は、上司として単純に仕事の指示をするのではなく、「A案・B案・C案があるけど、どの案でいくべきだと思う?」などの質問をして部下に答えさせるのもいいかもしれません。
その際、部下が答えた案に対してちゃんと理由を聞いてあげるのも大事です。
他には株価を予想することもいいかもしれません。(株を買う必要はありません。)
株をやったことがない人には、自分の会社と同じ業種を選んで予測した方がより発見があるかもしれませんし、今後の事業展開を予測することも可能になります。
株価を予測するには経済新聞を読むことにもなりますし、一石二鳥ですね。
時代の変化が速い現代で生き残るには変化に対応する“スピード”が何よりも要求されます。
そのためには、『仮説力』を鍛え、『圧倒的に生産性を上げる』ことが必要になりますね。
コロワイドVS大戸屋の買収戦争を解説します。
先日、定食チェーンを展開する大戸屋ホールディングスの株主総会で、筆頭株主であるコロワイドが連結子会社化を見据えて経営陣の刷新を求めた株主提案を否決したことが話題になりました。
今回は、コロナの影響で飲食業界が大変な中、あえてコロワイドが大戸屋を“買いに走った”のかを解説します。
ちなみに、コロワイドという会社は、M&Aで事業拡大していて、かっぱ寿司や牛角ななどを傘下にしていて、売上高では外食産業4位の位置づけです。
大戸屋の歴史を簡単にまとめると、
- 国内で350店舗を運営する国内最大の定食チェーン
- 1958年に東京・池袋の「大戸屋食堂」として三森栄一氏が創業
- 1979年に長男の久美氏が引き継ぎ、店舗拡大を進め2001年に上場
今回の買収騒動の時系列です。
大戸屋は 2016年に「会社側」と「創業家」の経営方針をめぐる“お家騒動”が勃発して、結局、2019年に創業家側の智仁氏とその母親の株18.67%をコロワイドに売却しました。
2020年3月のアンケートに関しては、「9割以上が賛同」としていますが、実際は、このコロワイド側のアンケートに答えると3000円相当の食事券がもらえたため、大戸屋側からは、「卑怯な手口」という声も上がっていたそうです。
大戸屋の前期の決算は経常利益で5億6000万円の赤字になっています。
一見、コロナの影響で仕方ないと思いがちですが、実は20年3月まで既存店売上が14カ月連続で前年割れという数字も出ています。
コロナの影響は当然ありますが、それ以前に経営自体が厳しい環境にありました。
一方のコロワイドも、コロナの影響を受けていて居酒屋業態を中心に不採算店196店を閉店すると発表したのは記憶に新しいところです。
ただ、この閉店に関しては、居酒屋依存からの脱却を考えての実行のようです。最近だと、売上全体に占める居酒屋の割合が20%になっていますので、今回の閉店でより低下することでしょう。
ちなみに2020年3月期の最終損益は64億円の赤字(前期は6億3200万円の黒字)に転落しています。減損損益は106億円計上。(コロナによる将来的に収益性が低下すると予想される店舗も含む)
しかし、コロワイド側は、コロナの影響が出ている状況でも大戸屋が欲しい理由があります。
理由①:新たに立ち上げた給食事業
・少子高齢化などを背景に、介護施設や病院などにおける給食市場が拡大すると予測し参入。そこで、大戸屋の“定食屋”としてのブランドとノウハウが欲しい。この給食事業は、将来的に1000億円を目指す。
理由②:セントラルキッチン方式で収益の改善
・コロワイド側の人材の供給や原材料の調達、セントラルキッチンの有効活用で大戸屋の収益を改善。
理由③:コロナで大戸屋のフランチャイズ店離脱を食い止める
・大戸屋の国内店舗の3分の2はフランチャイズ。コロナの影響で、フランチャイズ店が離脱をすると、フランチャイズ店からの流通収益(食材の販売)やロイヤリティが減ると慢性的な赤字に陥るため。
理由③が一番大きいと思います。コロナの影響でフランチャイズ店が3割離脱するとさらに収益が悪化するので買わない可能性もあると予測します。
今であれば、手元資金が600億あるコロワイドは、離脱しないようにフランチャイズ店を支援できるのが大きいですね。
そして、理由②にあるようにこの2社の経営手法はまるで違います。
コロワイド・・・セントラルキッチン方式*
大戸屋・・・・・店内調理
*セントラルキッチンとは、大量に材料を仕入れ、まとめて加工することでコストを削減し、その後各店舗に食品を配送。各店舗では、店内調理を減らして店舗スペースと人員を有効活用する方式。
大戸屋の“店内料理”に関しては、「お母さんの手作り料理をお値打ち価格で、お客様に」という言葉を大戸屋の原点としてるため、このM&Aが成功してしまうと、根本から理念自体が崩れる可能性もあります。
しかしながら、大戸屋の店内調理方式に関しては疑問を感じます。
店内調理は大戸屋の創業以来のこだわりですが、昔と違い今は人件費も高騰していますし、材料費も高くなっています。
『20年3月まで既存店売上が14カ月連続で前年割れ』という事実がある今、今後の環境改善をするよりも、現環境に適応できるよう変化にチャレンジするべきような気がします。
今回の株主総会では、筆頭株主のコロワイドが連結子会社化を見据えて経営陣の刷新を求めた株主提案が否決されました。大戸屋側の取締役選任案は承認され、約6割を占める個人株主らが現経営陣を支持した形になりました。今後、コロワイド側は、敵対的な株式公開買い付け(TOB)にするのか、注目ですね。
株式投資をしている人は、『大戸屋』と『コロワイド』をお気に入り銘柄に入れておいても面白いかもしれません。
ちなみに『大戸屋』は既に上がっています(笑)コロワイド次第では、“売り”もあり得ますね。
時代は変化しています。そして、変化のスピードが速いです。
現状維持だと、時代にドンドン離されてしまいます。
“こだわりを守る”ことで会社が守れれば言うことないですが、変化に対応するには、“こだわりを捨てる(見直す)”ことも大事ですね。