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【不動産】コロナ禍でも堅調なオープンハウスの決算から現在の不動産市場を解説します。

日経平均株価がコロナ前の水準である2万3000円台が見えてきた感じですね。

コロナの影響で様々な業種が影響を受けている中、戸建てを中心に扱う不動産業者は堅調な感じではないでしょうか。

 

ちなみにオープンハウスの株価の推移です。

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5月中旬から日経平均株価の回復スピードを上回る速度で上昇しています。
上場している会社からはデータが取れるため有難いですね。

ちなみに、このオープンハウスは仲介部門もあるため自社以外での取引数も見ることができます。

7月10日に公表したIRによると・・・

  • 4月における前年同月比で4割減
  • 5月における前年同月比で1.43倍
  • 6月における前年同月比で1.52倍
  • 4月~6月までの累計でも1.18倍

4月に契約できなかった反動で5月、6月の契約件数が多くなったわけでもなさそうです。

 現在、戸建てを中心に事業を行っている弊社としても悪くない経営状態といえます。

 

ここにきて、戸建てが堅調な理由としては消費者の「家」に対して何らかの変化があったと仮定するならば、やはりコロナ禍によっての『テレワークの普及』が考えられます。

 

下記の表はBiz Hitsが6月に実施した「リモートワークの悩みに関する意識調査」になります。 

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 コロナの影響で最も感染が大きかった都心部だからこそ、リモートワークの普及率が爆発的に伸びました。東京都が5月にまとめたテレワーク導入状況に関する調査では、4月の段階で都内のテレワーク普及率は62.7%となっていました。

 

この普及率からも、都心部では「テレワークに悩みを抱える消費者」が地方部と比較してかなり多く存在することが考えられますね。

結局、家での仕事環境に悩みがあるのであれば、“設備を変えるか、家を変える”しかないのでしょう。

 

また、オープンハウスの20年第二四半期の決算資料からは、コロナ禍中に戸建てを購入した消費者の動機として、「テレワークに備えてフロアを変えて家族と仕事ができる」というものや、家族と過ごす時間が増加したことによって、「家のことを考えるようになった」などが挙げられていました。

 

仮にコロナ禍が今後も長期化すると仮定した場合、消費者は一層リモートワークを想定した働き方や住環境を構築する必要があります。

一見ピンチと思われるコロナ禍も、冷静に消費者の動向を確認すればチャンスとなり得る可能性がありますね。

今後も、リモートワーク化に対してどのような『家』を提供できるかがカギになりそうです。

 

そして、経営者はコロナ禍の中でも経営をしていかなければなりません。

その際、自分の会社をどの方向性に導くべきなのかは経営者の判断に委ねられます。

判断基準の1つとして、上場している同業者のIRチェックは特にお勧めします。

会社の数字が“いい悪い”だけではなく、「なぜいいのか?」「なぜ悪いのか?」という本質を見極める努力が必要です。

上場会社のデータが全てが正しいとは思えませんが、一つの参考にはなるかと思います。

是非、チェックしてみてください。

やはり、優秀な経営者がいる会社には投資するべきなのでしょう。

新型コロナウイルスの影響による新興市場の株価急落を受け、*IPOが次々と延期されていましたが、6/24に再開されました。

*IPO・・・新規公開株や新規上場株式です。

 

新規上場した会社は、買い物情報サービス「トクバイ」を運営するロコガイド、画像認識ソフトウェア開発のフィーチャ、実演販売を中心とした卸売業のコパ・コーポレーションの3社です。

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上記3銘柄の中でも一番勢いがいいのは、ロコガイドです。

では、このロコガイドはどういう会社なのかを解説していきます。

ロコガイドはチラシ・買い物情報サービス「トクバイ」と、地域のよりみち情報サービス「ロコナビ」を運営している会社です。

 

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 そして、この会社の経営者が有名な会社を複数経営した経験のある『穐田誉輝』氏です。

 

 

『穐田誉輝』氏(あきた よしてる)の経歴

ウェキペディアはこちら

ja.wikipedia.org

 簡単な経歴を時系列にまとめると・・・

  • 元株式会社カカクコム代表取締役社長。2003年同社をマザーズに上場。 2005年、東京証券取引所一部に市場変更。

  • 元クックパッド株式会社代表取締役。2009年、社外取締役としてマザーズに上場。2011年、東京証券取引所一部に市場変更。

  • 株式会社オウチーノと株式会社みんなのウエディングの経営統合によって設立された株式会社くふうカンパニーの取締役会長も務める。

  • 2017年4月より株式会社ロコガイド代表取締役

すごい経歴です。

普通に『穐田誉輝』氏をネットで調べると、“実業家と投資家”という言葉が出てきます。投資家としてベンチャー期のカカクコムに投資をするところは、もはや先見性が高いどころか、神がかっていますね。

この『穐田誉輝』氏率いるロコガイドは、あの“料理レシピ”で有名なクックパッドから生まれた会社です。

沿革としては・・・

  • 2016年7月 クックパッド株式会社からの新設分割により設立
  • 2016年12月 経営陣によるMBOによりクックパッド株式会社から独立

 という流れです。

そして『穐田誉輝氏』がクックパッドを辞めた原因は、創業者の佐野陽光氏との確執でした。

穐田誉輝氏がクックパッドに投資

 『穐田誉輝氏』がカカクコムの次に投資をしたのがクックパッドでした。

クックパッドは創業8年間営業赤字が続き経営は大苦戦しているとき、穐田氏がエンジェル投資家として登場します。

ベンチャーキャピタリストとして07年12月クックパッドに出資、社外取締役就任。株式上場を指南し、09年7月マザーズ上場。穐田氏は14.78%を出資する第2位の大株主になりました。

その後12年3月には、創業者の佐野氏が穐田氏を後継の社長に指名し、佐野氏は料理レシピサイトをアメリカで広げるために渡米。穐田氏は時価総額経営を進め、クックパッドは急成長を遂げることになります。

 

 穐田誉輝氏と創業者佐野氏との確執

元々穐田氏は“レシピサイト”に対する思い入れは少なかったようです。

雑誌のインタビューではこう言っています。

「クックパッドはまだ一発屋レベル。もっと便利なものができたらクックパッドはなくなると思っています。Facebookの料理投稿やYouTubeの料理動画で十分になります。」

その後、レシピサイトで食えなくなることに備え、穐田氏はM&Aをしていくことになります。

米国、スペイン、インドネシア、レバノンなどの海外レシピサイトを買収。スーパーの特売情報の提供や食事の定期宅配などのEC関連、電子書籍のイーブック、子育て支援の日本テクノ、結婚式口コミサイトであるみんなのウエディングなどをまとめ上げる。

その結果、13年4月単独決算の売上高49億円が15年12月期の連結売上高は147億円まで急拡大し、時価総額は7倍以上になりました。

しかし、レシピと関係のない投資を加速させた穐田氏に創業者である佐野氏の怒りが爆発し、16年3月の定時株主総会後の取締役で穐田氏を解任させることになります。

 

くふうカンパニー・ロコガイドを立ち上げる

クックパッドを去った後、穐田氏は2社を上場させることになります。

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ロコガイドも元々はクックパッドの新規事業だったのをMBOを行い、東証マザーズに上場しています。

ちなみに穐田氏が去ったクックパッドはかなり苦戦しています。

2019年12月の連結決算では9億6800万円の最終赤字で、月間の利用者数も2016年に比べると約1000万人近く減少していることから、穐田氏が在籍時に懸念をしていた通りになっています。

 

穐田氏はロコガイド上場時のインタビューではこう語っています。

「新聞を購読しない人が増えてチラシの部数が減ったうえ、仕事で忙しいときにチラシをスマートフォンで見られると考え事業を始めた。スーパーなどにとっては低価格で電子チラシを掲載できる。デジタルなのでチラシよりも情報量が多く、アプリの利用動向から顧客データの分析をできるのも電子チラシならではの優位性だ。」

 

上場後はユーザーに課金する新サービスを追加するなどをして、「税引き前利益を毎年2倍に伸ばしたい」と言っています。

 

ロコガイドは6月にIPOを行った3社の中では圧倒的な株価になっています。

この高騰ぶりは優秀な経営者である『穐田誉輝』氏が率いている会社、俗に言う「穐田買い」の様相も強いようです。

しかし、以前のブログでも書いたように、投資家で有名なバフェット氏が『優秀な経営者がいる会社に投資することが重要である』と言っています。

クックパッドの7/19現在の時価総額は337億円に対し、ロコガイドの時価総額は約2倍の700億円に達しています。

 

優秀な経営者の一人に数えられる『穐田誉輝』氏が率いる会社は今後も注目する必要があります。