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なぜ飲食店が休業要請で危険な状況になるかを会計の視点からお答えします。

コロナの影響で飲食店が壊滅的な打撃を受けています。

報道で知られているところでは、外食産業大手の“ワタミ”が65店舗、コロワイドが196店舗と、全体の1割強となる大量閉店を発表しました。

 

また、緊急事態宣言が解除されたのにもかかわらず、飲食店の廃業や倒産が多く出ています。そして、最近も感染者の増加が懸念され、もし再度、休業要請が出た場合、またもや飲食店は大打撃を受けます。

 

なぜ、飲食店が1カ月~2か月の休業でそこまで致命傷になるかを会計の観点からお答えします。

 大きく2点あります。

まずは・・・

①手元資金が少ない

会計では、『手元資金流動性比率』という用語があります。

手元資金流動性比率・・・現預金や有価証券など換金性が高い資産を、月商の何カ月分程度保有しているかを示す指標のこと。

・日々お金が入ってくる外食産業では、上場している企業でも0~1か月程度しか持たないケースが多く、個人店では特にその傾向が強いです。

 

そして、上場している外食産業の利益率は平均で約5%ですが、中小企業や個人店での利益率は約3%程度とされています。

 

そこで中小企業・個人店での飲食店シュミレーションをしてみます。

*利益率を3%程度と予測します。また、形態や立地、経営条件にも各項目の数字は変わってきますが、今回は平均的な場合と仮定しています。 

利益率3%にすると、売上が100万円の場合利益は3万円になります。

内訳は下記の表のとおりです。

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 では、売上が半減をして50万円になった場合のシュミレーションです。

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 売上がコロナの影響等で半減した場合、食材減価などの負担は減少するものの、家賃やリース代などの固定費は変わりません。そして、お店を開ける以上人件費を大きく削ることは難しいです。

その結果、約8カ月分の利益を失う計算になります。

では、1カ月休業して売上が0円になった場合は恐ろしい結果になります。 

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万が一再度、政府からの要請で休業要請が出て、1カ月なにもしなければ約14カ月の営業利益を失うことになります。

 

次は2点目です。

②損益分岐点の高さ

*損益分岐点・・・売上高と費用が一致する箇所を示す。つまり、黒字になるか赤人になるかが分かれる分岐点を示す指標のこと。

・帝国データバンクの調査だと、飲食店の固定費比率は平均62.1%で固定費比率の高さが損益分岐点を押し上げている。

主要上場外食企業75社の損益分岐点は平均で91%なので、売上高が10%落ちれば営業赤字になる企業が上場企業の約半数を占めいます。

 

日本政策金融公庫の統計だと、個人店の損益分岐点は平均で103.5%となっていますが、これは節税対策にて意図的に赤字にしている可能性があります。

 

ただ、このうち黒字かつ自己資本がプラスの事業者に限って調査してみても、損益分岐点は97.3%と高く、あくまでも数字上ですが、売上高が3%落ちただけでも営業赤字になるという計算になってしまいます。

 

会計上の視点からみると、①②の理由にて現在飲食店が厳しいことが分かります。

 

そして非常事態宣言が解除されても営業を辞めたお店もあったりします。

それは営業を再開しているものの、コロナの感染を防ぐため『3密』を避けることを求められています。そして、ソーシャルディスタンスを守れば必然と客数を減らさざるを得ない状況になり、売上が落ちれば当然利益も減るというような状況になります。

 

そして、政府からの支援にて融資を受けることができたとしても、借金は借金なので返さなくてはなりません。元々、利益率が低い業界でもあるので、減少した利益から借金返済を行うとかなり厳しい状況になります。

 

ウィズ・コロナの時代に入った今、飲食店はどう変わる必要があるのかはまだまだ答えは見つかりませんが、これ以上の休業は絶対に避けなければなりません。

 

 

中古マンションが動き出す

現在、不動産業界はコロナの影響をほとんど受けていない状況で動いています。

弊社の物件も、順調にさばけていますが、ほとんどが一戸建てです。

 

仲介業者さんの話だと、コロナの影響で多少ではありますが、中古マンションの共用部分からの感染を気にして、一戸建てに方針を変えるユーザーもいるそうです。

 

そんな中、中古マンションが動き出すと予想される改正が予定されています。

それは、中古住宅をリフォームして取得する場合などに利用できるフラット35リノベの条件が大幅に緩和されることです。

 

まさに、国の住宅施策は、新築住宅一辺倒から中古住宅流通促進へのシフトを強める動きです。

 

フラット35リノベは当初10年間(金利Aプラン)または5年間(金利Bプラン)で、金利を0.50%も引き下げてくれる制度です。この制度は2021年1月からの制度改正を予定しています。

 

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現在のフラット35リノベの金利Bプランの条件は厳しく条件設定されていますが、上記のように緩和されます。 

金利Aの方は難易度が高いので、金利Bを目指すのが一般的でしょうね。

 

実際の効果が下記の表になります。

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ちなみに、借入額が5000万円の場合は、Bプランでいくと5年間で70万円以上の負担軽減になります。

 

また、このフラット35には、ほかにも様々な金利引き下げ制度があり、地方公共団体と連携して実施されているフラット35子育て支援型、地域活性化型などもあります。

これらと組み合わせ金利を引き下げることが可能なので、メリットが一段と大きくなります。

詳しくは

↓↓↓

・住宅金融支援機構ホームページ

 

このフラット35の改正は2021年1月からです。

新築に比べて比較的手が届きやすい中古住宅の取得に向けて、準備を進めるのもいいかもしれません。